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  in  再び中国(四川省)
     
          中華的激安バスツアー  
          
 
 
 
 
麻婆豆腐の故郷である成都から西へおよそ500kmのところに九寨溝・黄龍という二つの世界遺産がある。

九寨溝とは昔その地区に九つのチベット族集落があったことからその名が由来しているらしい。
私がは以前から「九つのキレイな池がある所」と思っていたのだが、そういう意味ではなかった。
そこは九つどころか全長約30kmの地形に47の泉と17の滝が点在する途轍もなく広い景勝地で、入り口付近は約2,000mの標高が最も奥になると3,100mにもなる。

黄龍は標高3,000m〜3,500m、全長7.5kmに広がる景勝地で、地下水に大量の炭酸カルシウムが含まれる為川底の乳白色の結晶体が付着して独特の風景を生み出している観光地である。

かなりの山奥にある為アクセスが悪くあまり日本人観光客が行かない観光地だったが、世界遺産登録され数年前付近に空港(ココに行く為だけの空港)が出来てから日本メディアでも注目を集め今では中国リピーターに大人気のスポットになっている。

最近では中国人による国内旅行大ブーム市場が随分成熟してきており、日本同様現地人のツアーに乗っかればいわゆる「激安ツアー」に参加する事も容易になってきた。

私は日本でバスツアーを企画した事もあるので、中国ツアーの実態を探るべく興味津々で参加する事にした。

今回参加したのは「九寨溝・黄龍3泊4日バスツアー」。
旅行代金はバス・ホテル3泊・全食事・入場料・保険が付いて580元(約7,500円)。いくつか成都市内の旅行会社を見たが、泊まっているゲストハウスから頼むツアーが一番安かった。

旅行の行程は以下の通り

初日  ホテル7:20発===市内各地からバスへ集合8:00==バスで走りまくる==14:00昼食14:40==走りまくり==

     =19:00チベット寺院(川主寺)20:00===20:15ホテル着

2日目 ホテル7:00発===9:00九寨溝・・・自由見学・・・17:00(遅刻者が出て17:45発)===18:30ホテル着(OP:チベット族のナイ      トショー 別途180元)

3日目 ホテル6:50発==怒涛のお土産屋4箇所!==12:30昼食13:00===14:00黄龍17:30(遅刻者が出て18:30発)=

     ==バス激走===23:00ホテル着&夕食!

4日目 ホテル7:00発===OP:ラフティングっぽいスピードボート==お土産屋2箇所!==13:30昼食14:00===16:00成都着

見ての通り、ハードな日程だ。

もし飛行機を使えば2泊3日で楽な行程になるが費用は1,900元(24,700円)に跳ね上がる。日本の社会人時代ならまだしも長期パッカーにとっては中国のドミトリーに50泊デキてしまう数字なので、当然自動的にバスコースを選択する事になる。

580元日本的に考えるとかなり安いが、それでもバックパッカーが見ると4日間で7,500円の浪費は一見高そうに思えるかも知れない。しかしその内九寨溝・黄龍の入場関係だけで335元(4,350円)するのだ!物価から考えるとベラボウに高額な入場料を引くと、実質の代金は245元(3.150円)!これで4日間食事付き!! 泊まるホテルもまぁまぁで(パッカー宿より立派)普段よりイイホテルだし、物価から考えてもかなり安い数字だ。

さらに私の習性により勝手に経費の内訳を逆算してみた。

・旅行代金 580元
     ↓
・入場料合計・・・235元        ←団体割引の設定は販売窓口で見なかったが裏でリベートがあるかも・・・
・代理店(今回は宿)への斡旋手数料・・・50元
・ホテル代(3泊合計)・・・100元   ←団体料金が設定されていてかなり安いはず。まともに泊まれば300元?
・食事代(10回合計)・・・60元
・バス代(一人当たり)・・・50元    ←定期バスで成都−九寨溝を往復すると200元かかる。
保険代・・・5元
人件費・諸経費・・・30元
     ↓
合計経費630元 (50元のマイナス!)

一見赤字だが、お土産屋からの斡旋手数料がある。観察すると中国は実際の売り上げに対してリベートを払うシステムのようなので(コレをやるとバスに戻る時添乗員がセコセコ慌てているのですぐ分かる)流動的だが、中国人の買いっぷりを見ると、

土産屋斡旋手数料(6件合計)・・・50元くらい? ←宝石屋など高額店で爆発すると100元とかに跳ね上がる。

あとはオプションのラフティングっぽいスピードボートがあるがこれも流動的。我々のバスは8名が参加したので手数料は100元(合計)位か?
チベット族のショーは参加者ゼロだった。

結論、
現地に来ていたツアーの多さ(USJ並みのバスの数!100台以上は居た。)とコースの単純性(他の会社との差が出にくい)から考えると、かなりの価格破壊が進んでいると思われる。さらに、経費の予想は実際と多少ずれているとしても旅行代金だけでは人件分費まで利益は出ていないと思われる、実際に添乗員も片言の英語でそう言っていた。
あとは土産屋とオプション次第だろう。添乗員が必死でオプションを進めるわけだ・・・

どこの世界も現地人相手の旅行会社は儲からんの〜〜

やはり旅行会社は外国人相手が一番!



セコイ話はコレくらいにして、世界遺産のミニ画像を少々、

九寨溝(ジューザイゴー!)

      

    

九寨溝はじっくり見ようとすると一日では足りない!泉の横を遊歩道が約50kmほど続いています。制覇したい人は気合を入れて望みましょう!何といっても標高高いっすから。

黄龍(ホァンロォン!)

    

簡単に見れると思ったら入り口からテッペンの池まで4kmもある!しかも標高3,000m以上!やられました。
心配な方用に酸素ボンベ売ってます。



★恐るべき人民の団結力★

それはオプションでラフティングの乗船場に着いた時の事。
着いた途端、5名ほどがやる気満々で乗り場に飛び出していった。添乗員は「これはイケル!」という顔つきでその他の参加者を募集しながら全員を一旦乗り場に案内。合計で8名ほどが参加しそうだ。
添乗員が料金を発表、「ひとり160元!」
金額を聞いた途端に参加者がヒソヒソ話を始めた、料金に納得していないようだ。さらには他の参加者にもヒソヒソ・・・

そして2.3分たった後、一気に全員がバスへ戻り始めた!慌てて私もバスへ戻る。
全員が乗り込んだ後、添乗員が乗り込み一言「わかった、ひとり100元!!」
すると今度は8名がホクホク顔でバスを出て行った。

みんなグルか!?

恐るべき団結力&交渉力を見せつけられた瞬間だった。


 
2005年6月15日