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  in  カンボジア
     
    アンコールワット行ってる場合じゃないっス!  
          
 
 
 
 
日本でも非常に有名でカンボジアの象徴とも言うべき世界遺産「アンコールワット」。
私も東南アジアの旅ではメインの観光地として考えており、念願の見学となった。アンコールとは「大きな」、ワットは「寺」を意味し、世界遺産登録名は「アンコール遺跡群」である。周辺にはかつての都跡である「アンコートム(大きな町)」を初め東洋人に人気の高い「タ・プローム」など多数の遺跡群が点在し普通に観光をするなら3日位必要な規模を誇っている。

1日$20の遺跡群共通入場券(現地人の給料で換算すると約4万円!)を購入し、到着した翌日5:30にホテルを出発してサンライズ〜サンセットまで丸一日アンコール遺跡を見学をした遺跡には作られた時代によりヒンドゥー教と仏教が融合された独特の世界観が描かれており各回廊のには戦争・生活・宇宙感など様々な壁画が描かれており、評判どおりのすばらしい建造物だった。


ただ今回、遺跡好きの私には非常にラッキーな発見があった。
タイトルにもあるように、
「アンコールワットに行ってる場合じゃない!」と思えるような素晴らしい遺跡に2箇所も出会うことが出来たのだ。

これはアンコール遺跡ががイマイチなのではなく、その遺跡が魅力的過ぎるための感想だ。
アンコールは有名すぎるので特にここで紹介する必要もないだろう。よって割愛し二つのおすすめ遺跡を紹介したい。


その一つ目は
『ベンメリア遺跡』
シェムリアップから東へ80kmの位置にあるこの遺跡は「東のアンコール」と呼ばれており「花束の池」という意味を持つ。、アンコールワット建造前の11世紀末ころ建てられ、宮崎駿監督作品である『天空の城ラピュタ』のモデルになったという説もある。一部では前出の「タ・プローム」もそのモデルではないかと言われているが、ベンメリアに比べるとその記憶は薄れてしまう。

この遺跡の最大の魅力は、崩壊が進んでいるにも関わらずほとんど修復作業がされていない為、崩れた壁の上を歩いたり屋根の上に登ったり、光の届かない暗闇の回廊を歩いたりしながら探検気分で見学が出来る事だ。

          実際にこういう瓦礫の上を歩く。


2003年にようやく道が整備され、数年前までは遺跡周辺が地雷原であった。今でも遺跡裏の見学コース上には以前地雷が埋まっていた印の赤いペイントを見ることが出来る。
数年前まではまさに見学通路上に地雷があった。

通常日本からのパッケージツアーでは組まれることがあまりないため現地でアレンジしたほうがいいだろう。かなり崩れかけた石を登る為、若者には最高の冒険心をくすぐる遺跡だが、おばちゃんグループなんかが来ると捻挫とか苔で滑ったりしてケガ人続出になる可能性あり。

我々が行った午後は観光客が極端に少なく、入り口で2名にあった以降は貸切状態!人ゴミの中を掻き分けるアンコールワットよりは10倍落ち着いて見学が出来るところだ。

     




もうひとつは
『コーケー遺跡群』
ここはまだガイドブックにもほとんど載っていない貴重な遺跡。地雷処理がされていなかったため、ごく最近の2004年12月から一般公開が始まった。
シェムリアップから130kmに位置し、アンコール時代よりも古い940年頃クメール帝国時代に建設された巨大遺跡群だ。こちらもほとんど修復作業が行われておらず遺跡好きにはたまらない環境で、メインの建造物は高さ35mに及ぶ七段のピラミッド型の遺跡。メキシコのマヤ文明を思わせるそのピラミッドを登ると頂上からは360度の大パノラマが地平線まで広がっている。
          今にも崩れそうな門をくぐる。

まだ公開を開始して間もないココは1日の平均入場者が約10名!当日も現地の日本語ガイドがプライベートで2名来ていただけだった。ここも貸切!写真を撮ろうとして後ずさりした足の下の石に綺麗なレリーフが描かれているような、本当に手付かずの遺跡だ。

ここへ行く途中の道端にはまだ現在も地雷が埋まっており、『地雷注意』の看板を何度も見ることが出来る。
車が通るすぐ横には今も地雷が埋まっている。

どちらの遺跡も修復が進み、観光客で溢れる前に行くことをお薦めしたい。もう気分は
パズー(女性はシータ)状態である。


この感動の機会を与えてくれたのはシェムリアップの日本人宿
『やまとゲストハウス』
ほとんどの宿がまだ新しいコーケーツアーを組んでいない中で、まだ手付かずの素晴らしいものを見せたいというオーナーのアイディアで最近始めたツアーに参加することが出来たのは本当にラッキーである。

日本人オーナーのホリウチさんは若干25歳の若きボスで2004年7月にオープンしたばかりの新しいゲストハウスだ。営業方針でアットホームな宿を理想とするこの宿は、前に泊まった宿が最低だった事もあり、ここでの滞在はゆったりと快適に過ごす事ができた。オーナーは気さくであまり金儲けの匂いがしない好青年、ドミトリーが無いぶん「安宿の長老」的な長期滞在者もおらず新参者でもすぐに打ち解けられる過ごしやすい環境だ。オーナーは安全面に気を使っており、夜は入り口のすぐ外に蚊帳を張って寝ている徹底振り。特に女性同士の旅にはぜひおすすめしたい安全な宿である。
新参の人気宿にありがちな周辺ゲストハウスからの嫌がらせなどもあるようだが、それを乗り越えてがんばって欲しいと思う。
URLは http://www.yamato-group.net  ウェブで宿泊予約も受け付けている。



シェムリアップで行く観光地ランキング(重要順)

1位:地雷(ア・キラ)博物館   
(過去の栄光である遺跡を見る前にまずは今のカンボジア問題を見るベシ!)

2位:ベンメリア遺跡  (ここに行く為にコーケーと合わせて1日空けて下さい!)

3位:アンコールワット (朝早く行くと売り子が少ないかも・・・)

====↑ここまでは必須!!行かなきゃ損====

4位:コーケー遺跡   (必須にしたいけど、遠いから時間があれば行くべき。)

5位:アンコールトム  (実はワットよりも好きです。側面に彫られた生活の様子がGOOD!)

6位:タ・プローム    (アンコール周辺ではココが一番イイ雰囲気ですが、有名順で6位にしてみました。)

それ以降はお好みに合わせてどうぞ。私はこれでもうお腹一杯です!



※これから行く人へ注意事項※
アンコール周辺でTシャツ等のお土産を値切って買っている方へ、土産はぜひ地雷博物館で買ってください。Tシャツ相場$1⇒が$3ドル位ですが収益は地雷除去や学校運営などに当てられます。日ごろ募金などに億劫な方もここでドーンと寄付しましょう!
クメール・ルージュの格好をした入り口の少女



※日本から地雷除去を応援したい方へ※
現地の宿でで日本から旅行に来た東京の学生マリコさんに会いました。彼女は学校で地雷問題を取り上げていて2005年の6月まで地雷除去の為の募金活動を行っています。自分が募金したお金が本当に除去に使われたかどうかがWEBでわかる仕組みになっている画期的な募金方法を行っています。1口300円から行っていますのでこれを見た人は明日のコーヒー・タバコ・アイスクリームなどを我慢していただいて世の為人の為に募金をしましょう!下記のWEBから申し込みが出来ます
URL http://www.jirai.org    「Ploblem of Mines is Problem of Mine 」   (Mines=地雷)




 
2005年3月31日