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  in  インド
     
       インドで盗難&一時帰国・・・無念。  
          
 
 
 
 
バングラデシュから再びコルカタに戻り、次の目的地「ダージリン」を目指すことにした。
インド北部の観光地ダージリンは世界的な紅茶の産地。インドにあることを知らない人も名前は聞いたことがあるだろう。

ダージリンまでは夜行列車で10時間、冷房の無い2等寝台なら263ルピー(約660円)で行けてしまう。
夜10時の出発なので宿代だと思えばホントに安く済む。

一緒に移動をすることになったKさんとタクシーで20:50頃コルカタのシアルダー駅に到着。シアルダー駅は東京でいう上野駅みたいなもの。昔の上野駅みたいにいろんな人が居てゴミゴミしている。東京駅的存在は「ハウラー駅」という大きな駅がもうひとつある。

出発まで1時間あるが、駅構内は列車待ちだかホームレスだか分からない人々が寝転がっていて怪しいので早めにホームへ到着。
この駅は誰でもホームに入れるシステムのようで、ホームにも物乞いがフラフラしている。
金をせびる子どもたちをかわしながら列車を待つ。

21:40に我々が乗る22:00発「ダージリンメイル2343便」が入線してきた。予約した「S3」という寝台号車を捜す。

人々が一斉に車内に乗り込む。まだ電気が点いておらず中は薄暗かったが、荷物を置くスペースを確保しなくてはいけないので流れに乗って乗車。寝台番号の「59・62」を捜す。

席が見つかった。2等寝台は個室ではなく、通路の横に向かい合わせで3段ベッドがある。夜以外は下段ベッドが座席になり、中段ベッドは寝るときだけベッドになる。上段は常にベッドなのでいつも上段を予約しており、今回は2人が向かい合わせで上段を利用する。

私は前面に30L(リットルサイズ)のディパックと7Lのヒップバッグ、背面に85Lのバックパックを背負っている。(デカ過ぎ!)
まず前面のバッグふたつを上段ベッドの上に置き、奥へ押しやった。長身の私がギリギリ手が届く高さだ。
その後、下段ベッドの下にあるスペースにバックパックを押し込む。スペースの関係で二人が交互に行った。

ギリギリだが何とか収まったので、上のバックを持参のワイヤーで固定しようと上を見ると、



「バッグがひとつ無い!」

しかも貴重品の入ったやつ。

ベッド脇のハシゴに登り上段ベッドを隅々見るが、やはり無い。

ヤラレタ!

連れに一言行ってホームへ掛け出る。
もしかしたらまだ見つかるかも知れない。

出来るだけ人の目を見て変なそぶりをする奴が居ないか見ながら駆け足で隣の号車やホームを見るが、全然気配なし。
それにみんなが馬鹿デカいズタ袋に荷物を入れているのでもし犯人がいてもそれでカモフラージュしているだろう。

ガックリしながら座席に戻る。ひょっとして戻ったら「下に落ちてたよ」と言われる期待をほのかにしながら・・・
戻ってみると、連れがバックを見張りながら一言、

「コッチのバックもやられてた・・・」


何っ!イッキにふたつも盗られたのか!!(◎o◎;)

同じく上段に置いてあった連れも衣類と食料品の入ったバックを盗られたらしい。

しかし、二人で交互に荷物整理をしていたので両方が上段から目を離したのはホンの数秒であろう。
180cmはある上段ベッドから二つの荷物を同時に盗むインド人・・・・・

恐るべし盗難のプロだ・・・


私はこれまで荷物管理には多少の自信があった。
列車移動ではいつも荷物をワイヤーで固定するし、バス移動の時は必ず車両ナンバーをカメラに収める。
旅行会社時代の8年間に一度も盗難された事は無かったし、シドニーでは客の荷物を盗った男を追いかけて捕まえた事もあった。
どちらかというと、用心深い人間なのだ。

しかし上には上がいて世界は広いし、日本人は世界中の泥棒からドラフト一位指名されている。
こんなにアッサリと、じかも目の前で盗られるとは思わなかったし、実は未だに「狐につままれた思い」でいる。

また運の悪いことに、いつも腰に巻いている現金&パスポートバックをヒップバッグに収納していた。
列車が出発して落ち着いたら巻こうと思っていたが、落ち着く前に盗られていてはどうしようもない。

さらに運悪く中央アジア方面に行く前で現金も多めに持っており、旅行費用の数ヶ月分が一瞬で消えてしまった。
今まで宿代を50円ケチってみたり、食事を1品分数十円単位で節約していたのが馬鹿らしく思えてきた。

被害は他にも、パスポート・トラベラーズチェック2,000ドル(後日再発行)・デジカメ・電子辞書・HDDプレーヤー・日記帳・アドレス帳・・・

特にパスポートは旅行会社時代を含めて9年分のスタンプが押されており、数ヶ月前増補したばかりだったのに・・・・・



俺の思い出を返せ〜〜〜_(TOT)_

と言っても盗られたモノは帰ってくるハズが無い。
こんな鮮やかな盗み方をするプロなので、きっとルートがあって私のパスポートも数ヵ月後に売られているのかな・・・

クレジットカード・キャッシュカード・運転免許証・国際免許証も盗られたので、再発行の為一時帰国することになった。
保険の請求もしなければいけないし、色々手続きがあり過ぎて家族にもあまり迷惑掛けれんし。

・・・無念。



こうなったら一生この事件を話のネタにしてモトを取ってやる〜!




 
2005年8月23日